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真和のよもやま話~part15~

皆さんこんにちは!

真和、更新担当の中西です!

 

さて今回は

~工事の技法~

ということで、代表的な地盤の種類に応じた基礎工事の技法と、それぞれの特徴や適用条件について詳しく解説します。

 

住宅や建築物の安定性・耐震性は、すべて「基礎工事」によって決まると言っても過言ではありません。しかし、基礎工事は“どのような地盤に建てるか”によって大きく工法が異なります。







地盤の種類と基礎工法の選び方


1. 【良好地盤】(支持力:50~100kN/m²以上)


■ 主な特徴



  • 地盤が締まっており沈下リスクが小さい




  • 表層に砂礫層、粘土層、ローム層などが存在




■ 採用される基礎工法



  • ベタ基礎(鉄筋コンクリートで一面を覆う)





    • 地盤全体に力を分散しやすい




    • 防湿性も高く、白アリ対策にも有効






  • 布基礎(壁下に連続して基礎を配置)





    • 軽量木造住宅に多く使用される




    • コストを抑えられるが、不同沈下にやや弱い










2. 【やや軟弱地盤】(支持力:30〜50kN/m²)


■ 主な特徴



  • 粘性土、埋め戻し土、地下水位がやや高いなど




  • 自重による沈下の懸念がある




■ 採用される基礎工法



  • 表層改良工法





    • セメント系固化材を混ぜて表層を固める(深さ2m程度まで)




    • コストを抑えつつ地盤を補強できる






  • ベタ基礎+防湿シート





    • 地盤の沈下を抑えるとともに湿気対策も実施










3. 【軟弱地盤・埋立地】(支持力:30kN/m²未満)


■ 主な特徴



  • 粘性土、シルト、軟弱な埋立層




  • 沈下・傾斜のリスクが非常に高い




■ 採用される基礎工法



  • 柱状改良工法





    • 地中にコラム状の固化体を作って建物の荷重を支える(3〜8m)




    • 一般的な住宅でも多く採用される






  • 鋼管杭工法





    • 支持層まで鋼管杭を打ち込み、杭で建物を支える




    • 高コストだが、支持力と耐久性に優れる




    • 地下水位が高い地域に適する






  • 小口径鋼管杭(摩擦杭)





    • 自沈を利用した摩擦抵抗で支える




    • 周辺建物への影響が少ないため都市部で活躍










地盤調査の重要性


基礎工事の工法選定には、事前の地盤調査が不可欠です。代表的な調査方法には:





  • スウェーデン式サウンディング試験(SWS)




  • ボーリング調査(標準貫入試験)




があります。特に軟弱地盤が疑われる場合、地層ごとの支持力や地下水位の確認は極めて重要です。







基礎工事は“地盤との対話”から始まる


どれほど立派な設計の建物も、不適切な基礎工法では安定しません。地盤ごとの性質を正しく見極め、それに適した工法を選ぶことが、安心・安全な住まいの第一歩となります。


 

 

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